若尾歯科医院からのお知らせ

2012.11.12

前回から歯周病についてお話しさせていただいておりますが、今回はその原因についてお話ししたいと思います。

歯周病の原因はズバリ細菌です。お口の中には様々な種類の細菌が無数に存在します。虫歯の原因になる細菌、歯周病の原因になる細菌、何も悪さをしない細菌など様々です。細菌は互いくっつきあい集落を作ります。この集落のことを歯垢プラークバイオフィルムなどと呼んでいます。ここではプラークに統一しましょう。プラークは単なる食べかすなどの汚れではありません。これは細菌の塊です。歯の表面に黄白色のヌルヌルしたものが付いていたらそれがプラークです。プラークは歯の表面にこびりついているため、いくら一生懸命にうがいしても、うがい薬を使っても落とすことが出来ません。プラークを除去するには、ご家庭では歯磨きをするしか方法がありません。

このプラークの中に歯周病の原因になる細菌(歯周病原菌)がいます。歯周病原菌は酸素がある環境では増殖することが出来ません。これを難しい言葉で偏性嫌気性菌と言います。

歯と歯茎の間にある溝のことを歯周ポケットと呼びます。歯周ポケットは深くなればなるほど空気に触れにくくなり、酸素の量が減ります。つまり歯周病原菌は酸素の少ない歯周ポケットの奥で増殖します。

歯周病原菌は毒素を出して歯を支える組織を攻撃し、歯根膜と言われる骨と歯をつなぎ合わせている靭帯を破壊したり、骨を溶かします。

歯周病原菌が出す毒素によってこのような組織が破壊されると、歯周ポケットはどんどん深くなります。深くなった歯周ポケットの中で細菌はどんどん増えて毒素を出します。また歯周ポケットが深くなります。

このような負の連鎖が続き歯周病は悪化していきます。最終的には歯を支えられなくなり、歯はぐらぐらになり抜けてしまいます。

これが歯周病の原因です。少しまとめてみましょう。

・歯周病は細菌が原因の感染症である

・細菌はプラークと言われる塊を作り歯に付着する

・歯周病原菌は歯周ポケットの中で増殖する

・歯周病原菌は毒素を出して歯を支える組織を攻撃する

・毒素により歯根膜は破壊され、歯槽骨が溶かされる

・深くなった歯周ポケットで歯周病原菌はどんどん増殖する

・負の連鎖で歯周病は悪化する

歯周病の原因は細菌であることは明らかです。しかし歯周病にはそれを悪化させるリスクファクターと言われるものがあります。次回は歯周病のリスクファクターについてお話しさせていただきたいと思います。

 

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