若尾歯科医院からのお知らせ

2012.11.04

今回のお知らせは親知らずについてお話しさせていただきたいと思います。

親知らずとは一番前歯から奥に向かって数えて8番目に位置する歯のことです。難しい言葉では智歯といいます。英語では wisdom tooth といいます。

なぜ親知らずなんて言葉になったのかと言いますと、この歯は生えてくる時期が他の歯に比べて遅く、平均寿命が短かった時代では親が亡くなった後に生えてくることも多かったことから、このような名前が付きました。

生えてくる時期は20歳前後、個人差があり30代、40代でも親知らずが生えてくる人もいます。

また親知らずの本数も個人差があり、上下左右4本しっかり生えてくる人もいれば、元々一本も親知らずがないという人もいます。ちなみに私は右上の一本しか親知らずがありませんでした。

さてこの親知らずですが、よく痛くなったり腫れたりする原因となります。なぜ痛くなるのか、大きく2つの原因があります。

①虫歯になりやすい

親知らずは一番奥に位置しており、また完全に生えきっていない(半埋伏と言います)状態も多くみられます。そのため歯ブラシが届きにくく自分ではしっかり歯磨きしているつもりでも、親知らずの部分に汚れが残り知らないうちに虫歯になっていることが多いのです。

②親知らずの周りの歯肉の炎症

親知らずは完全には生えきっていない、半埋伏と言われる状態が多くみられます。歯肉に被っている部分は当然歯ブラシが届かず、周りの歯肉に炎症を起こすことがしばしば見られます。これを我々は”智歯周囲炎”と呼んだり、”ペリコ”なんて呼んだりしています。歯の周りの炎症にとどまっていればいいのですが、炎症が広がると頬の方まで腫れたり、顎の下まで腫れたり、抵抗力が少ない人では気道を圧迫するまでの腫れになったりします。

親知らずが真横を向いて骨の中に埋まっていることも良くあります。現代人は顎が小さくなっており、親知らずが生えてくるスペースがないために起こります。これでは本来の歯としての機能は全く果たせません。前の歯を押して痛みが出たり、歯並びが変わってくるなどの悪影響が出ることもあります。

今回は親知らずについて、症状を中心にお話しさせていただきました。次回は親知らずの治療方法についてお話しする予定です。

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