若尾歯科医院からのお知らせ

2012.11.02

11月に入り急に冷え込んでまいりましたが皆様、ご体調崩されたりはしていませんか?水道のお水も冷たくなるこの季節、歯がしみるというお悩みを持った患者さんの来院が増えます。今日は歯がしみる原因の一つ、知覚過敏についてお話しさせていただきます。

知覚過敏という言葉をよくCMなどで耳にしたことがあるかと思います。知覚過敏は虫歯などで歯に穴が開いているわけではないのに、歯がしみるといった症状のことを言います。冷たいものを飲んだり、食べたりしたときに急に”キーン”と鋭い痛みが・・・経験されたことがある方も多いかと思います。

なぜそのような症状が出るのでしょうか。

まずこちらをご覧ください

歯の構造の画像

歯の表面はエナメル質という、とても固い組織で覆われています。とても固いエナメル質ですが過度の力が加われば破壊されてしまします。エナメル質が破壊されると下にある象牙質という組織が露出します。象牙質に刺激が加わればそれを痛みとして認識します。象牙質が露出してしまう原因としては次のようなことが考えられます。

①ブラッシング圧が強い

日頃の歯磨きを思い出してください。歯ブラシをギュッと握ってゴシゴシ磨いてはいませんか?歯に付着したプラークは力を入れれば取れるという訳ではありません。歯の表面にしっかり歯ブラシの毛先を当てて、弱い力でも構わないので丁寧に磨くことが歯磨きの基本です。強いブラッシング圧は歯茎を傷めるだけではなく歯の表面のエナメル質も傷つけてしまいます

②研磨剤入りの歯磨き粉

最近はホワイトニング効果を狙って研磨剤が多く含まれた歯磨き粉が市販されるようになりました。研磨剤が多く含まれた歯磨き粉を長期間使用しているとエナメル質を傷つけてしまう恐れがあります。

③歯ぎしりが強い、咬みあわせが悪い

歯の表面を覆うエナメル質は固いのですが脆い、という性質を持っています。歯ぎしりが強い方や、咬みあわせが悪い方などでは過剰な力がエナメル質の薄い部分、特に歯の根元の部分に集中するため、そこからエナメル質が剥がれるといった現象がおこります。これがひどい方だと歯の根元の部分だけ歯が欠けてくることがあります。これを難しい言葉で楔状欠損などといったりします。これに強いブラッシング圧が加われば歯はどんどん削れてしまいます。

④歯周病

歯周病になり歯茎が下がってくると歯の根元が出てきます。歯の根元のほうはエナメル質ではなくセメント質という組織が表面を覆っています。セメント質はエナメル質に比べて外力に非常に弱い組織です。当然象牙質が露出しやすくなります。

以上が知覚過敏を引き起こす主な原因です。

実際は一つの原因だけでなくこれらの原因が複数絡んで知覚過敏を引き起こすといわれています。

次回は知覚過敏の治療法についてお話しさせていただきたいと思います。

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